『希望のランタン』ブログ小説NO.37
希望のランタン
「いらっしゃい」
カランと店内入口の鈴が鳴ると同時に老婆が僕を睨らみながらそう呟いた。
「ここで希望のランタンが手に入ると聞いたんです。不治の病の母を治したくて」
店内には極彩色に輝くランタンが所狭しと並んでいた。
一つ一つが繊細な輝きを放っている。
「何でもあるよ。でも使い方を間違えるな。ランタンによっては昼夜を逆転させちまったり、古代生物を呼び寄せちまう物まであるからね。そう言えば先日は使い手がランタンの中に吸い込まれるレア物も売れたんだった」
僕は震える手を押さえながら母の顔を思い浮かべ、彩り豊かな一つを手に取った。
「あぁ、それにしたか。灯りを点けてみてのお楽しみだね」