『永遠に続くオレンジ』ブログ小説NO.12
永遠に続くオレンジ
あなたは知っているだろうか?
朝と夜のない世界。そういう世界が時空の狭間に存在するということを。
世界地図には載っていない、ほんの小さな島の物語。
昼と夕が混ざり合い、淡いオレンジに染まる幻想的なその島の風景は、見た者の心を奪うと言う。
その島の人々は、一日の区切りを持たず身体が疲れたら眠った。時間という概念など存在せず、皆穏やかに日々暮らしていた。
生まれつき持っている背中の羽を使って、島を優雅に飛び回る。それが彼らの一日の過ごし方。
目にした者はこう言うだろう。
『自分もそんな世界で過ごしてみたい』
ただ、この島の民は暗闇に包まれ、朝陽が昇る世界のように一日をリセットしてみたいという強い憧れを抱いている。
環境によって悩みは変化するという終わりなき人類の戦いを彼らは誰よりも知っていた。