読むサラダ〜ある作家の挑戦〜

140字小説家✒︎『Twitter novelist』による新しい文学への挑戦記。文字を使って様々な文学への可能性を追求します。一緒に作品を作りませんか?

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『Kazabana』アーティストコラボ・第8弾

フォトグラファーとして活躍する『Kazabana』さん

 

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今回のコラボは写真の物語化

 こんにちは。とうかいりんです。

 花や風景など素敵な写真を撮り続けるフォトグラファーのKazabanaさん。

 140字小説用に2枚の写真を提供していただきました。

 KazabanaさんのTwitterはこちら↓↓↓

twitter.com

Kazabanaさんとコラボした140字小説

◉『幻時蛍』

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幻の時を翔けるホタル。『幻時蛍』

 

まだこの世に光が無く、人々が闇夜に恐怖を抱いていた時代。蛍は道を照らし、川や田畑を含め、人々のあらゆる生活を照らしてきた。

 

ただ、幻時蛍の寿命は余りにも短く、日々何万匹とその命を絶やした。

それでもなお懸命に時代を翔けた。

 

幻時蛍が最後の一匹となった時。これまで亡くなった仲間の分まで輝きを放ち、そして世界に月が生まれた。

 

『十月桜』

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高校サッカーの県大会決勝で敗れた息子を夜桜に連れ出した。

「知らねーよ」

こんなにも輝く夜桜すら目に入らないようで俯く息子。彼はずっとサッカーだけに打ち込んできた。それは私が誰よりも知っている。

「十月桜はね年に2度開花するの。春に満開になって散った後、秘かにもう一度開花する準備をしてる。もう一度咲きなさい。名前に桜の字を入れたのはその為なんだから。一度挫折するくらい大丈夫」

息子は立ち止まり桜を静かに見上げた。

 

いかがだったでしょうか?

他の写真も素晴らしいので、ぜひインスタでチェックしてみてください!これからも素晴らしいフォトグラファーとしてKazabanaさんを応援しています。