読むサラダ〜ある作家の挑戦〜

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『逆サンタクロース』ブログ小説NO.46

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逆サンタクロース

男はゴミで溢れかえったその街で、白く大きな袋を持って歩き回った。

 

寂れて人よりもゴミが目立つその街がいつも泣いているように見えたんだ。

 

男は赤い服を来て、来る日も来る日もゴミを拾い続けた。

 

帰り道ではまるで汚いサンタクロースのようだと人々は笑った。


寝る間も惜しんでゴミを拾い歩く男の背中はとても小さく、まるで膨らんだ白いゴミ袋自体が歩いているように見えた。

 

どんなに街の人から笑われても男はゴミを拾うことを辞めなかった。時には空き缶をぶつけられることも、目の前でゴミを捨てられることもあった。


活動を始めてから10年。

 

男はいつのまにか『逆サンタクロース』と呼ばれていた。

 

12月24日の夜。昔はゴミで埋め尽くされていた海に人々は集まり、男のためにプレゼントを砂浜に置いた。

 

男の白い袋はその日だけ感謝の手紙とプレゼントで一杯になったんだ。

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