読むサラダ〜ある作家の挑戦〜

140字小説家✒︎『Twitter novelist』による新しい文学への挑戦記。文字を使って様々な文学への可能性を追求します。一緒に作品を作りませんか?

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『擬態する部族』ブログ小説NO.20

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擬態する部族

少女はブライト・ゴールドの塗料を小指の先にちょんと乗せると眉の上に引いた。

 

透き通る青空を見上げる。風が吹き、塗料を優しく乾かした。


少女はそのまま木陰でチーターへと姿を変えると、大地を駆け回った。流れる景色に少女は酔いしれた。まるで風を味方に付けたようだった。

 

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効果が切れると少女は微笑みながら肩で息をする。さすがにチーターは5分ともたなかった。

 

今度は小指にオリオン・ブルーの塗料を取った。蒼い蝶になって空を舞うことができると思うと笑みが溢れた。

 

日が暮れるのをじっと待つ。蒼い羽が月の光を受けて淡く光る。少女は自分の飛んだ軌跡が夜空に描かれる瞬間が好きだった。

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「明日は何色にしようかな?」

声の先にはいつも族長の優しい眼差しがあった。

 

族長は擬態する少数部族の未来をいつまでも見守っている。

 

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